酢豚にパイナップル、ポテトサラダにリンゴ、白和えに柿。どれも私は大好き。料理にフルーツを入れると、絶妙にぬるくトロリと溶けて、しょっぱい味付けがほんのり甘くなるのが最高。
だから、色々な料理に入れる度にヒンシュクをかっている主婦5年目のイチゴです。フルーツを入れると邪道とか言われるけれど本当はどうなの?とりあえず、「酢豚にパイナップル」これは正解なのかと言うと・・・。
3つの地方で特徴が違う酢豚
酢豚といえば中国料理。中華料理屋さんで出てくる、揚げてカリっとした大きめ豚肉とあまり火が入っていないピーマンと玉ねぎがシャキシャキっとした食感が美味しいよね。でも、北京料理の酢豚にはお肉しか入れないらしい。

中国料理には、四川、北京、上海、広東、地方によってそれぞれの特徴が違う料理がある。酢豚を食べる3つの地方料理について違いをまとめてみたよ。
- 北京料理: 中国北部で、冬の厳しい寒さに勝てる体力を養う料理。北京ダックや青椒肉絲、羊肉など良質なたんぱく質を摂る肉料理が多くある。
酢豚は、糖醋肉塊と表記する。⇒味付けは、鎮江香酢(黒酢)、砂糖、塩、紹興酒で野菜を入れない本格的な黒酢酢豚。
- 上海料理: 海に面しているので海鮮を使った比較的さっぱりした味付けが特徴。上海ガニやあんかけおこげやしょうゆ味の豚角煮がある。
酢豚は,糖醋肉と表記する。⇒味付けは酢、砂糖、醤油だけで、具材は豚肉のみや豚肉に玉ねぎのみの全体的にシンプルなもの。
- 広東料理: 温暖な地域で野菜やフルーツも豊富にとれる。だから、料理もパイナップル酢豚やフカヒレ煮込み、ケチャップやオイスターソースなど使った甘酸っぱいものが多い。
酢豚は、古老肉と表記する。⇒味付けは、トマトケチャップ、砂糖、酢、醤油、レモン、山査子を入れて、具材は、パイナップル、ピーマン、タマネギ、にんじん等でフルーティーに仕上げる。酸味も、酢だけではなくてレモンのフルーティーさを利用してマイルドに仕上げたりする。砂糖だけでなくケャップ、山査子やパイナップルを使うことで、さらに甘くなり、懐かしい味つけかもしれない。
パイナップルに肉を軟らかくする効果はあるの?

地方によって具材とか味付けが違うのはわかったけれど、パイナップルを入れると肉が柔らかくなるというのは本当なのかな?
パイナップルには、たんぱく質を分解する酵素ブロメラインが含まれていて、肉を柔らかくすることは本当。だけど、熱に弱いから60℃以上に加熱するとその効果は失われてしまう。
実際に酢豚で効果を発揮させようと思うなら、酢豚に入れる肉の下処理段階で、パイナップルと肉を一緒に付け込んであげれば良い。ただ、缶詰めのパインとか加熱されているものは駄目だから注意してね。生のパイナップルでも、フライパンで炒めてしまうと熱がかかるので効果はなくなるよ。
でも、パイナップルで身体に嬉しい事が3つあるよ。
- 酸味成分のクエン酸が胃腸の働きを助ける。
- マンガンがカルシウム吸収を促進する。
- 抗酸化活性が果物の中では高い。
もともと、上海料理でパイナップルを入れた理由だってたいしたことなかった。イギリス領だった時に、当時貴重な果物だったパイナップルを古肉老に入れたら、おしゃれだしヨーロッパ人とか外国人が喜ぶだろうと思ったから。
今でも、インスタ映えするからという理由で、新しい組み合わせ試してみたら意外に流行ったりする。料理の歴史なんてそういうものかもしれないね。
美味しい酢豚とは

結局、酢豚の味付けも具材もどれも正解だった。パイナップル入れたらちょっと体に良くなるのだって、別にパイナップルにこだわる必要なくて他の果物でも野菜でも良い。違うものが入れば、違う栄養素が増える。それが、身体にとっては嬉しい要素。
北京風の酢豚は、ガッツリ肉だけを楽しみたい時に食べたら良いと思う。その時には、鎮江香酢の本格的な黒酢で料理して、まろやかな酸味と濃厚なコクと芳醇な熟成された香りを楽しめば良い。具材はなくても、熟成した醸造酢はそれだけで身体に優しい。
上海の酢豚のように、タマネギやピーマンが入った懐かしいお母さんの味には、ケチャップがしっくりくる。ケチャップの懐かしい甘みとリンゴ酢や穀物酢で軽めの酸味だと、野菜がたくさん食べられるからヘルシーだね。もはや「酢豚」ではないけれど、豚肉にこだわらなくても、魚や豆腐をいれても美味しいよね。
まとめ
・中国料理の種類によって酢豚は、糖醋肉と古老肉と表記と表記する。
・上海料理の酢豚には、ケチャップやパイナップルを入れる。
・パイナップルのたんぱく質分解酵素は、加熱すると効力はなくなるが他にも効果はある。
・北京料理の酢豚には鎮江香酢、上海料理の酢豚にはリンゴ酢のように調味料も選ぶと美味しい。
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